29日目
5月23日(土)
家の周りを散歩していくと、ずっとずっと住宅が並ぶ。右に一軒家、左にファミリーマンション、その先右に二世帯住宅、左に古めのワンルームマンション。1時間近く歩いたが、同じようでたまに変わった住居が並ぶ。
あのカタカナ+地名のシリーズすごいよね。どれだけバリエーションあるんだろうか。絶対もう、わけわからん意味の言葉を使っているだろう。何語かさえもわからないよ。ひとつひとつ心の中で読み上げて歩いた。
夕暮れ、住居の光が薄暗い中で映えるとき、その光の一つ一つに一人一人がいるのだと当たり前のことを気づく。一人一人どころではなく戸建てやファミリーマンションならひと家族ひと家族がその光のなかにある。目の前の数十階建てのマンションを見上げると、圧倒され心がどこかに落ちていく気がする。私の全く知らない人たちの暮らしがあの箱の中で何十個も動いていて、その箱がそこら中にひしめき合ってある。田舎者だからか、少し怖くなるんですよね。
♫「ダスト」星野源